一橋大学 社会学研究科 社会調査室

一橋大学社会調査室は、現代社会のさまざまな問題に対して社会科学的視角からまなざしを注ぎ、社会調査を実践する研究の場です。社会調査は、社会科学者が社会の仕組みや人びとの暮らしの現実をさぐり、人間の行為とそれを支える論理を理解するために、対象について調査・観察し、その結果を記述・分析していく営みと方法のことです。社会調査室は、社会調査を学ぶ場、社会調査を企画する場、社会調査をとおして社会的現実を考える場です。これまでの社会調査の歴史や理論に関する研究、実践してきた多様な社会調査の成果の蓄積をふまえて、学生たちの調査の実践を支援しています。

スタッフ

数土直紀 教授

計量社会学、社会階層論

根本雅也 講師

質的調査法、歴史社会学

朴慧原 助教

質的調査法、社会政策研究、比較社会政策論

調査プロジェクト

各教員が関わってきた社会調査についてはこちら

研究室紹介

 社会学部・社会学研究科のなかで、社会調査は、社会学、ジェンダー研究、国際社会学とともに社会学研究分野の核を構成しています。社会学研究分野は、社会の構造と文化をその動態(ダイナミクス)に着目して社会学理論の研究と社会調査の実践に総合的に取り組み、その成果を社会学研究科・社会学部の教育へ有機的に結びつけていくための研究・教育ユニットです。社会調査室は現在、数土直紀教授らによって、社会学的な調査研究に取り組み、社会学部・社会学研究科の社会調査にかかわる専門教育に携わっています。

社会調査室の歴史

一橋大学社会調査室のあゆみは古く1960年に遡ります。当初、一橋講堂(現・千代田キャンパス)の学長研究室に看板をかかげてスタートしました。64年、竣工なった国立の磯野研究館に移りました。当時の社会調査室は機材も資料も文献もわずかなものでした。制度化(実験講座化など)の努力と、所属教員が企画遂行する社会調査活動、講義やゼミ学生の調査実習、そうした活動を日常的に支える助手(4代にわたる)のバックアップが積み重なって、現在のすがたに成ってきました。

過去の専任教員

  • 石田   忠 名誉教授 在職期間:1957-1979年
  • 濱谷  正晴 名誉教授 在職期間:1976-2010年
  • 木本 喜美子 名誉教授 在職期間:1990-2016年
  • 小林 多寿子 名誉教授 在職期間:2010-2022年

◆「原爆と人間アーカイブ」

長崎での生活史調査から全国規模の大量観察へ。立場(視座)の模索から被爆者の人間像、原爆体験の全体像の探究へ。およそ45年、いくだんかの調査過程を経て蓄積された膨大な被爆者たちの証言記録を、人類への記憶遺産として後世に伝えようと、「原爆と人間アーカイブ構築プロジェクト」が濱谷名誉教授によってとりくまれています。