国際社会学プログラム 大学院情報
在籍者情報(一部)
博士後期課程
金孝英(KIM Hyoyoung)
研究テーマ: 韓国の済州道を中心に、在外済州道民が日本・アメリカ・韓国内等の地域の間で作り出しているトランスナショナルコミュニティの実態を明らかにし、さらに、地方レベルの在外同胞政策を済州道の事例から考えることで、国家レベルの在外同胞政策との比較も試みます。
マキンタヤ・スティーブン・パトリック(MCINTYRE STEPHEN PATRICK)
研究テーマ: 迫害などを受けたことから自国を逃れて日本に庇護を求めて難民申請中、あるいは難民申請の結果日本に在留する資格を与えられた人の経験から、日本の難民認定制度について調べている。主にビルマ(ミャンマー)出身のロヒンギャ・ムスリムがなぜ日本に来たのか、難民申請してからどうなったかについて調べてきた。現在では、トルコ出身のクルド人の経験も調べており、二つの集団に所属する方の経験から日本の制度における難民申請者が経験する問題を明らかにすることを試みている。
張雅晴(CHANG Ya-Ching)
研究テーマ:
山崎哲(YAMAZAKI Satoshi)
研究テーマ: 中国帰国者を研究しています。とくに帰国者三世に注目し、「帰国者としての歴史/文化/言語等の一世・二世からの継承や、複合文化主体としての本人の日々の生活実践などが三世のライフコースにどのように影響を与えているのかまたは与えていないのか」を明らかにすることを目下の研究テーマとしています。研究を通して、中国帰国者とはどのような存在であるのかについて考え続けていきたいと思っています。
山本佳奈(YAMAMOTO Kana)
研究テーマ: 移民難民の子どもの教育権保障について研究しています。とりわけ、外国につながる子どもに対し日本各地において実施されている母語継承語教室に着目し、親と子ども自身の移動の背景、家族状況や言語使用状況、そしていかなる移動意思や教育戦略の基に通室の選択がなされているのか調査、考察しています。本研究を通して、インフォーマルな教育実践の場に於いてマイノリティの子どもの教育権はいかにして保障され得るのか、追究していきたいと考えております。
ワオデ・ハニファ・イスティゴマ(Waode Hanifah Istiqomah)
研究テーマ: 日本における外国人労働者の受け入れに関心を持っています。とりわけ、技能実習制度という制度の下に来日してきたインドネシア人に焦点を当て、彼らの移動動機、日本滞在中に直面する諸問題、又は技能実習生としての経歴が帰国後の彼らにどのような影響を及ぼすのかを研究したいと考えております。
修士課程
亀井杏寿(KAMEI Anju)
研究テーマ: 異文化結婚(inter-cultural
marriage)の家族経験を主題に、現在は、在日コリアンと<日本人>/<韓国人>/そのほかの異文化出身グループ間カップルの家族経験を対象にインタビュー調査をおこなっています。より親密な関係構築の実践が絶え間なく続く「家族」経験のなかで、異なるバックグラウンドをもつ同カップルが、こうした背景の違いによってどのような経験をするのか、また異なる背景をもちながらもどのように「家族」形成の実践をおこなっているのか/その実践において障害となるものは何か、インタビューを一つの手がかりとして考えていきたいです。
オオヌキ・ジュン (ONUKI Jun)
研究テーマ: ブラジル日系移民、在日ブラジル人の文化継承とアイデンティティ形成に関心を持っています。国民国家のディアスポラ政策
(diaspora engagement
policies)、つまり、国家はどのように出移民と関係を築き、彼女・彼の帰属意識を高め、二国家間の交流を促進し、海外のエスニック団体を維持するのかに興味があります。特に2000年代から、ブラジルで行われた「和太鼓」文化の伝播をめぐる政策と日系社会の変容に焦点を当てて研究を行っています。
博士論文 Dissertation
提出年度 | 氏名 | 題目 | 種別 | 備考 |
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2020 | 飯尾真貴子 IIO Makiko | 米国移民管理レジーム下でのトランスナショナルな社会空間の再編―メキシコ村落出身移民の包摂と排除をめぐる「道徳的秩序」に着目して― | 課程博士 | |
2018 | 工藤晴子 KUDO Haruko | アメリカにおける難民の保護とセクシュアリティ―性的マイノリティの難民と庇護希望者の包摂と排除― | 課程博士 | 『難民とセクシュアリティ——アメリカにおける性的マイノリティの包摂と排除』として2022年8月明石書店より出版(第26回国際開発研究大来賞受賞) |
2017 | 恵羅さとみ ERA Satomi | 移動する職人・労働者と社会変動―産業リストラクチャリング下の日米建設労働者をめぐる比較社会学的分析 | 論文博士 | 『建設労働と移民―日米における産業再編成と技能―』として2021年3月名古屋大学出版会より出版 |
2017 | 藤浪海 FUJINAMI Kai | 犠牲者ディアスポラと労働の間で 犠牲者ディアスポラと労働の間で―横浜市鶴見区で邂逅するウチナーンュたち― | 課程博士 | 『沖縄ディアスポラ・ネットワーク――グローバル化のなかで邂逅を果たすウチナーンチュ』として2020年1月明石書店より出版 |
2017 | 田口ローレンス吉孝 TAGUCHI Lawrence Yoshitaka | 戦後日本における「混血」、「ハーフ」をめぐる人種構成―<日本人化/外国人化>人種プロジェクトの歴史的な展開― | 課程博士 | 『「混血」と「日本人」 ―ハーフ・ダブル・ミックスの社会史―』として2018年8月青土社より出版 |
2015 | 望戸愛果 MAKO Aika | 〈策略〉としての「戦争の平凡化」の過程―1920年代アメリカ在郷軍人会の西部戦線巡礼事業の事例から― | 課程博士 | 『「戦争体験」とジェンダー アメリカ在郷軍人会の第一次世界大戦戦場巡礼を読み解く』として2017年2月明石書店より出版 |
2014 | 坂下雅一 SAKASHITA Masakazu | 複合ネーション「沖縄県民」の起源 ―戦後初期(1945-1956)沖縄群島の政治界における「ナショナル・アイデンティティ」の生成と展開― | 課程博士 | 『「沖縄県民」の起源: 戦後沖縄型ナショナル・アイデンティティの生成過程1945-1956』として2017年2月有信堂高文社より出版(第39回沖縄研究奨励賞受賞) |
2013 | ヤマグチ・アナエリーザ YAMAGUCHI Ana Elisa | 在日ブラジル人の移動形態および移住コミュニティが家族構成変容に与える影響についての考察――分散型居住地と集住型居住地の比較研究―― | 論文博士 | 『変容する在日ブラジル人の家族構成と移動形態』として2021年11月世織書房 より出版 |
2012 | 崔ミンギョン CHOI, Minkyung | 戦後日本の国際化と中南米地域の「日系人」-在外日本人の重層性にみるナショナル・アイデンティティ- | 課程博士 | |
2006 | 南川文里 MINAMIKAWA, Fuminori | アメリカの人種エスニック編成における日系エスニシティ――エスニシティ、人種、ナショナリズムの相互関係をめぐる歴史社会学的研究―― | 論文博士 | 『「日系アメリカ人」の歴史社会学―エスニシティ、人種、ナショナリズム』として2007年7月彩流社より出版 |
修士論文 Master Thesis
提出年度 | 題目 |
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2020 | 日本社会における「あからさまでない人種主義」-学歴・高階層の日本人の語りから- |
2020 | 移民1.5世代の若者たちの「帰国」と労働市場への参入プロセス―メキシコ都市部に生きる米国からの移住者の事例から― |
2020 | 都市社会の動態にみるフランスにおける「難民」受け入れの地域化――地方中核都市ナントの事例から―― |
2020 | インフォーマル経済に対する人道的な規制と再周辺化―モロッコ・スペイン領セウタ間の「密輸」のエスノグラフィ―― |
2019 | 外国につながる子どもたちへの教育支援施策の形成過程-東京都における多様なアクター間連携と行政との関係性に着目して- |
2019 | グローバルな移動性を求めて「英語で学ぶ」-在日留学生が第3国へと移動するまでの経験- |
2019 | ケアの協働-移動する男性フィリピン人介護福祉士の実践と困難に着目して- |
2019 | 個人加盟ユニオンにおける外国人労働者へのまなざし-東京都の4事例における経験- |
2018 | “インド人IT技術者の海外就労と仮想就労の構造的連関―米国就労者の二面性システムの検討―” |
2018 | インドネシア人技能実習生の期待と現実―技能移転の可能性と限界― |
2018 | 中国帰国者3世研究序説―エスニック帰還移民大1.5/2世代と中国残留日本人3世の交差― |
2018 | ヨルダンにおけるシリア難民のカテゴリー化―受け入れと移動をめぐるアイデンティティの実践― |
2018 | 現代フランスにおける人種差別と国籍―2000年代以降の「国籍剥奪」論争に関する一考察― |
2017 | 「国民化」政策から見る「国民」像―トルコ共和国初期(1923-1945)における「トルコ人」を例に― |
2017 | <主要可能性>のもとで生きる―在日クルド人庇護家族の経験と日本の難民政策― |
2017 | 通過点としての池袋―華人エスニック・ビジネス労働者の事例から― |
2017 | 日本における非正規滞在者の経験と帰国後の生活・就労実態―ペルー人帰国者の事例から― |
2017 | 国家の認めるアンビバレントな状態―無国籍化されたビルマ出身ロヒンギャ・ムスリムの日本での庇護申請― |
2016 | 移民のインターカルチュアルな統合と地域-バルセロナ「反うわさ戦略」の生成過程から― |
2016 | 移行経済下の国際移住労働と女性の経験―2000年代におけるベトナム人女性移住家事労働者の事例から― |
2016 | 在日コリアンの若者はヘイトスピーチをいかに経験するか-新たな差別の影響と四つの対処モデルに関する比較分析-況 |
2014 | フィリピンにルーツをもつ1.5世代青年の進路意識の形成―二国間で形成される教育経験と家族の物語― |
2014 | 日本の大学生による難民支援活動と難民包摂の可能性―難民支援学生団体のリーダー層に対するインタビュー調査から― |
2013 | 日本におけるロシアからの高度専門職移民の就労状況 |
2013 | ラヴィダシアはなぜ名乗るのか―移民社会で経験される信仰とカーストの構造- |
2013 | THE EFFECTS OF BUMIPUTERA POLICY ON MALAYSIAN TERTIARY EDUCATION: FOCUSING ON THE CASE OF MALAY STUDENTS |
2013 | 沖縄系南米人とトランスナショナルなコミュニティの生成-横浜市鶴見区の複層的な的なネットワークを事例に- |
2013 | 戦後日本社会における人種編成の社会学的考察-「ハーフ」・「ミックス」のライフストーリーに着目して- |
2013 | 東京都夜間中学における学齢超過ニューカマーと公教育-双方向的実践による権力テクノロジ―の再編― |
2012 | 非自発的帰還者の生活再構築プロセス-メキシコ市大都市圏大衆居住区ネサワルコヨトルに生きる帰国者たちの事例研究- |
2012 | 「風俗嬢」たちのスティグマへの対処法-2000年代以降の日本の状況を中心に- |
2012 | パキスタン、イギリス、二つの生活世界のはざまで-第二世代パキスタン系ムスリム女性の結婚形態の変容とダイナミズム- |
2012 | ロバート・パークによる科学としての社会学の確立-人種関係の効率的な管理を目指して- |
2011 | 在日フィリピン女性はなぜケアワーカーになるのか―社会的地位をめぐる交渉の諸相― |
2011 | 逃れた先で生きる―日本に暮らすビルマ出身難民の就労実態― |
2010 | 多国籍企業の中国における人事戦略 |
2010 | アイデンティティーズを構築する―在日ジャパニーズ・フィリピノ・ユースの事例から― |
2010 | 公的投機によるエスニック・エコノミーの拡大とファーマライゼーションの関係―ミネアポリス市における移民ビジネスの展開から― |
2010 | 川崎市における在日韓国・朝鮮人コミュニティと市民活動―1970年代から現在までの推移と変化― |
2010 | 在留資格「興行」をめぐるポリティクス―「フィリピン女性エンターテイナー」を中心に― |
2010 | 滞日バングラデシュ移民のエスニック・ビジネス―バングラデシュ・エスニック・レストランの機械構造とエスニック戦略― |
2009 | 変貌する下町と地域振興策としてのアート―東京墨田区・向島地区の事例から― |
2009 | 開発援助を巡るジェンダー実践を通じた変化 -バングラデシュにおける女性刺繍グループ活動を事例として- |
2009 | 移民と帰属 -滞日フィリピン女性の事例から- |
2009 | 高度人材としての「中間層」技術者の国際移動 -インド人技術者の日本への移動を事例としてー |
2008 | 日本における医療通訳の実態と専門職としての可能性――神奈川県の医療通訳組織を事例として―― |
2008 | 「記憶の場」を創る――国立移民史シテの政治学―― |
2008 | 労働市場の変容と若年不安定就労層による運動 |
2008 | 在日ブラジル人の請負現場――岐阜県の製造工場における参与観察にもとづいて―― |
2008 | 日比婚外子とフィリピン人母親による市民権闘争――集団国籍確認訴訟(2005~2008)の分析を中心に―― |
2007 | アイヌをめぐる語りの変遷――自然との関係性の視座から―― |
2007 | 「ニューカマー」の子ども達が抱えるジレンマと日本の学校――学習支援教室における「ニューカマー」の子ども達の「解放」と「出会い」から―― |
2007 | 外国に繋がりを持つ子どものアイデンティティと多文化教育 ――多文化状況にある学校を事例として―― |
2007 | フランス郊外における社会的排除と「経験の共同体」――2005年秋の「暴動」に対する社会学的分析についての一考察―― |
2006 | 若い世代の在日コリアンの自己認識の変化――海外留学経験者の事例から―― |
2006 | “フランスにおけるイスラーム”から“フランスのイスラーム”へ――ライシテ原則と移民統合政策の相克―― |
2006 | 在日ベトナム系住民の就労と起業 |
2006 | 定住外国人強制送還についての法社会学的研究 ――日本における第二世代に関する事例を中心にして―― |
2006 | 個人と国家・市場が新しく出あう場としての観光的移動の可能性――”ロングステイ”を事例として―― |
2006 | カイロの歴史的建造物における保存と観光の相互作用――その歴史的背景と現状―― |
2005 | ナシオンか市民かフランス・ネーションフッドの普遍的コンセンサスをめぐる混乱と妥協(1981~200X)――「ライシテ法」の考察を通して―― |
2005 | トランスナショナルな社会空間におけるクルド・ナショナリズムの編成――移民がもたらすクルド社会の関係性の変容―― |
2004 | 韓国における外国人労働者と地域社会――非正規滞在者、研修生、そして朝鮮族問題を中心に―― |
2004 | 移民第1.5世代に関する一考察――サンディエゴ市のメキシコ移民系の子どもを中心に―― |
2004 | シンシア・エンローによる軍隊のフェミニスト分析――統一的再解釈―― |
2004 | 多民族国家ロシア連邦における国家一宗教関係――国公立学校における「正教文化の基礎」導入をめぐって―― |
2003 | クリントン政権期における国境管理の確立 ——移民政策過程をめぐって―― |
2003 | 1950年代沖縄島における「日本ナショナリズム」の高揚過程 ——土地闘争の文脈を中心に—— |
2002 | 日本の流動的建設労働市場における1980年代以降の新たな柔軟性と職務構造の変動——産業再編成と労働過程論における「技能」の再考を通して—— |
2002 | 経済再編成下におけるアメリカ中西部農村地域の多民族化とその諸相——食肉加工業の再編成過程を中心に—— |
2001 | ブラジル・アマゾンにおける「グリーン・ビジネス」とコミュニティ・プロジェクトの新展開――多国籍企業、先住民、NGOを結ぶグローバルなパートナーシップ―― |
2001 | イスラエルにおける社会構造の転換とナショナリズムの再編――90年代のイスラレエルへの多面適考察―― |
国際社会学プログラムについて
過去の専任教員
小井土彰宏 (Koido Akihiro) 2001-2022在籍
森千香子 (MORI Chikako) 2018-2019在籍
伊藤るり (ITO Ruri) 2007-2017在籍
梶田孝道 (KAJITA Takamichi) 1993-2006在籍
過去の研究プロジェクト
2019-2022年度 | 小井土彰宏 | 移民受入れ国-送出し国の政策相互連関――国際社会学からの比較研究 |
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2016-2018年度 | 小井土彰宏 | 移民・難民選別システムの重層的再編成――9ヶ国の国際比較と越境的構造分析 |
2015-2017年度 | 伊藤るり | 移住家事労働者とILO189号条約――組織化・権利保障・トランスナショナルな連帯 |
2012-2015年度 | 小井土彰宏 | 選別的移民政策の国際比較――新自由主義/新保守主義と国民国家の境界再編成 |
2012-2014年度 | 伊藤るり | EU統合下の移住女性とケアの政治――仏独伊の事例を手がかりに |
2009-2011年度 | 伊藤るり | 仏独伊における移住家事・介護労働者―就労実態、制度、地位をめぐる交渉― |
2008-2010年度 | 小井土彰宏 | ネオ・リベラリズムの潮流下での移民政策改革の矛盾と移民の社会運動 |
2005-2008年度 | 伊藤るり | アジアにおける再生産領域のグローバル化とジェンダー再配置 |
2004-2006年度 | 小井土彰宏 | 転換期のアメリカ合衆国移民政策の社会学的分析――9.11事件以降の入管政策の強化と「非合法」移民への対応―― |